2007年9月号(98号)

快適ツボ刺激術のロゴ 寝ちがいは時間がかかる まずは予防が肝心

 寝ちがいは中国では落枕(らくちん)と呼びますが、決して楽ちんな疾患ではない。病名としては頚項痛(急性硬直性頚痛ともいう)といわれるもの。この部位には重い頭部を支えるための多種多様な筋肉がめぐらされていますが、それらの筋肉が何らかの原因で緊張したりして、痛みが出るものと考えられます。長時間、クーラーなどの寒気にさらされて、痛みの原因になるケースもままあります。

図…足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい)の図。本文とは関係ありませんが、背中にもいっぱいツボがありますよ。なお今回の寝ちがい予防には、図のように手を後ろで組んで、両親指で押さえてください
図…足の太陽膀胱経(たいようぼうこうけい)の図。本文とは関係ありませんが、背中にもいっぱいツボがありますよ。なお今回の寝ちがい予防には、図のように手を後ろで組んで、両親指で押さえてください  
 治療法としては該当する部位の血液の流れをよくする方法ですが、頚部は、運動機能を考えて、一般的にあまり頑丈な構造になってないので、他の人が無理に押したり揉んだりしないほうがいいと思います。家庭でできる方法としては、患部およびその周辺の皮膚を、つまようじなどで軽く刺激してあげたりするといいでしょう。経験で知っている方もあると思いますが、直るまでには数日から一週間ほど、相応の時間がかかると考えてください。
 寝ちがいにかかわらず、筋肉痛全般の対処法についても、簡単に説明しておきましょう。筋肉痛の原因は、筋肉の過緊張や筋内に代謝産物が蓄積することなどによりますが、緊張の持続時間が長くなれば、筋緊張→組織内の血液不足→代謝産物がたまり→炎症→さらに筋緊張といったサイクルへ移行していきます。
 こうしたことを避けるためには、なるべく筋肉の凝りをおこさないことが肝心。疲れたなと思ったら無理せず休むとか、また日ごろから自分自身で軽いマッサージを心がけるなどが大切です。早いうちに対処すれば、あるいは日ごろから気をつけていれば、そんなにひどくはならないんですが、それがなかなかにむつかしい。
 今回は治療法というよりも予防法といったおもむきが強いですが、後頚部の場合には前にも紹介したとおり、両手を頭の後ろにまわして親指を開きます。そして両手の親指以外の指を重ねて組み、頭の骨と首がつながるあたりを、左右の親指で交互にまんべんなく押していきます。耳の裏あたりまで、ていねいに押さえましょう。こうして首の凝りを毎日とっておくと顔面の血液循環もよくなり、皮膚の栄養もよくなります。結果として、皮膚にツヤが出てきてシワも出来にくくなるという、うれしい効果もあるようです。




★加藤義隆 鍼灸治療院「ハリのむしろ」主宰