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| 名鉄「有松」駅北側。外国人がたこ焼きを焼いている店がある。よく見るとたこ焼きだけでなく、「ドネルケバブ」というサンドイッチも売っているようだ。なんだかおいしそう・・・。というわけで、今回はエジプト人と日本人の夫婦が経営する店「蛸(たこ)ん壺・有松店」を紹介しよう。 |
「ちょっと話が長くなっちゃいますが(笑)、エジプトの考古学に興味のあった私は、アラブ語専門学校を卒業後エジプトに留学したんです」 留学中に夫のイマードさんと知り合い、結婚。エジプトに居を構え、長女も生まれた。その後、ひとみさんの両親に会うために一時帰国。 「すぐエジプトに帰るつもりでしたが、2番目の子どもを妊娠したので予定を変更して、しばらく日本に住むことになったんです」 天白区野並で家族3人暮らしていた時に、東海豪雨に見舞われた。 「夫は仕事先から帰れないし、娘はまだ生後3カ月。水は床上にどんどん上がってくるし、やっとの思いで救助のボートに乗せてもらい助かりました」 その後、豪雨の片づけでしばらく欠勤しているうちに配置換えになってしまったイマードさんは会社を辞めた。 「家はもうめちゃくちゃで住めないし、いっそ新しく2人で事業を始めようということになって、たこ焼き屋を始めました」 |
取材中にも「これがプレーン。こっちはチーズ焼き。にんにく入りも食べてみて」と次々とたこ焼きを焼いてくれる。どれもダシ味がしっかりときいていてふんわりと柔らかい。 「ウチはね、刺身用のタコを使ってるし、チーズもフランス産の本格クリームチーズだよ。それをしょうゆ味で食べてもらうのが特徴ですね」とニコニコしながらイマードさんが、ゆっくりと日本語で説明してくれる。値段は1個50円から60円だが、1種類だけ1個300円の豪華版がある。「カニ爪(つめ)たこ焼き」だ。高いだけあって、ズワイガニの大きなカニ爪がコロモの上にそびえ立っている。お土産にも最適だ。 「ウチは注文を聞いてから焼きます。焼きたてのアツアツ、一番おいしいとこを食べてもらいたいから、焼きだめは一切ないよ。だから待つのが嫌いな人は電話一本してから来てくれるとうれしいな」とイマードさんは言う。 |
| 「蛸ん壺・有松店」の大きな特徴は、たこ焼きのほかにエジプト名物の「ドネルケバブ」も食べられることだ。ドネルケバブとは、袋状になったエジプトのパン「ピタパン」の中にチキン、キャベツ、トマト、タマネギなどを詰め込み、ホンモスソースというマメから作ったソースをかけていただく、いわゆるサンドイッチのようなものだ。エジプトでは、屋台やカフェ、ファーストフード店など、いたるところで売られていて、誰もが気軽に食べているという。まさに日本のたこ焼きと同じ位置にある食べ物といえる。 ふるさとの味をそのままのカタチで提供したいと考えたイマードさんは、専門の機械でチキンを焼いている。またピタパンも粉からこねて作る。記者も食べてみたが、すべて手作りの「ドネルケバブ」は本当においしく、クセもないので日本人の口にもよく合うと思った。値段は400円。1個で結構満腹になるので、ランチにもイケる。 「『エジプト風手作り野菜コロッケパン』も近々出す予定です。日本とエジプトの庶民的なおいしさを同時に楽しんでもらえるように頑張ります」 有松裏の「蛸ん壺」に行けば、イマードさんのおいしい味とやさしい笑顔に出会える。 |
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